レンダリングとは
モデリングやマテリアル、テクスチャの工程を経て制作したオブジェクトの画像を書き出すことをレンダリングといいます。
仕上がりのクオリティを決める重要な作業です。
実際の撮影と同じように、カメラのアングルや画角、背景などの設定を行います。
また、ライティングについても各種機能があります。
さらに、奥行き感を出したり、光があふれ出ているような効果など、様々な演出を加えることができます。
ライティングの設定
光はオブジェクトを照らすだけではなく、雰囲気やテイストなど作品の仕上がりに大きく影響する重要な役割です。
オブジェクトの追加:Shift+A→ライトの追加
ライトの種類
- ポイント
- サン
- スポット
- エリア
ポイントは、1点からあらゆる方向に放射状に光を放つ光源です。
電球と似ています。
サンは、設定した方向に向けて全体に光を放つ光源です。
光源との距離に関係なく、同じ明るさのシーン内を照らします。
太陽と似ています。
スポットは、方向と角度に制限を与え、円錐状に光を放つ光源です。
スポットライトと似ています。
エリアは、面から光を放ちます。
柔らかく、自然な陰影を生成するのに優れている光源です。
ライトの設定
カラー
ライトが放つ光の色を設定します。
パワー
光の強さを設定します。
スペキュラー
光によって生成される光沢の反射量を設定します。
半径
ソフトシャドウを生成させる際、影のボケ具合を設定します。
スポット
「サイズ」は、光の角度を設定します。
「ブレンド」は、光の境界のボケ具合を設定します。
数値が大きいほど、光の境界がボケます。
3灯照明
被写体を立体的に見せるライティング手法です。
3つのライトを使います。
- キーライト
- フィルライト
- バックライト
キーライトは、前方斜め45度の位置に配置します。
被写体の形状や向きによって、左右どちらかを決定します。
フィルライトは、キーライトの反対側に配置します。
フィルライトの役割は、補助的な光源として、キーライトによってできた陰影を緩和させます。
バックライトは、後方から比較的強い光を放つことで、被写体に輪郭を浮き上がらせます。
カメラの真逆の位置から、少し上下左右にずらした箇所に配置します。
光源のパワーは、
- キーライトが1
- フィルライトが0.5程度
- バックライトが1以上
が基本です。
カメラの設定
オブジェクトの追加:Shift+A→カメラの追加
カメラの移動
「オブジェクトプロパティ」→「トランスフォーム」
移動、回転、拡大縮小
カメラビューで移動・回転・拡大縮小
「N」のメニューのビューで「カメラをビュー」を選択
画面の大きさを変える
出力プロパティ→解像度の調整
レンズの設定
遠近法
「データプロパティ」→「レンズ」→「タイプ」
透視投影:遠近感あり
平行投影:遠近感なし
焦点距離
レンズの焦点距離を距離または角度で設定します。
- 距離の数値が大きいほど望遠
- 小さいほど広角
になります。
ワールドの設定
ワールドでは、シーンの背景やシーンにかかる霧などシーン全体に関わる設定を行います。
背景は色の設定だけでなく、画像を貼り付けることも可能です。
環境マッピング
環境マッピングとは、周囲の環境を疑似的に表現する手法です。
テクスチャとしては、階調の精度が高いファイル形式HDRIファイルを使用します。
ワールドプロパティの「サーフェス」のカラーで「環境テクスチャ」を選択し、環境テクスチャとして使用する画像を選択します。
レンダーエンジン
Blenderには、3種類のレンダーエンジンが搭載されています。
Cycles
物理的に正しい表現が可能で、光の反射の処理などを正確にシミュレートすることができる。
フォトリアルな作品に仕上げたい場合に力を発揮します。
Workbench
プレビュー用の位置づけです。
最低限の設定でレンダリングが可能です。
Eevee
リアルタイムレンダリングが可能で、モデリングなどの編集作業を行いながら、レンダリング結果を確認することができる。
レンダリングの設定
サンプリング
レンダリングを行った際のサンプル数です。
サンプリングの数値は大きいほど高画質になります。
レンダーエンジンCyclesの場合は、ノイズ発生の軽減に大きく影響を及ぼします。
アンビエントオクルージョン(AO)
面と面が接している部分の影を設定します。
リアリティを上げる効果があります。
ブルーム
発光やハイライトなどの光輝度部分から光があふれ出るようなブルーム効果を設定することができる。
「しきい値」でブルーム効果の発生する範囲を設定します。
「半径」で光があふれ出る範囲を設定します。
「強度」であふれ出る光の強さを設定します。
被写界深度
被写界深度とは、ピントが合う奥行きの範囲を表しています。
被写界深度が浅くピントが合う範囲が狭いと、背景や手前にあるものなど被写体以外がボケることで、より被写体を強調することができたり、奥行き感のある作品に仕上げられます。
焦点の設定方法
オブジェクトを指定する方法とカメラからの距離を指定する方法があります。
オブジェクトを指定
「被写界深度」→「焦点のオブジェクト」からオブジェクトを選択します。
カメラからの距離を指定
「ビューポート表示」パネル→「リミット」を有効にします。
「被写界深度」パネル→「ピントの位置」の数値で、カメラからの焦点距離を設定します。
ボケ具合
「被写界深度」パネル→「絞り」→「F値」でピントが合う範囲を設定します。
数値が小さくなるほど、被写界深度が浅く、ピントが合う範囲が狭くなります。
スクリーンスペース反射
金属や水面のような反射するマテリアルのオブジェクト同士の反射の設定をします。
カラーマネジメント
ビュー変換
ガンマ
コンポジット
レンダリングした画像に色調補正や各種フィルターなどの編集を加えることができます。
コンポジットの設定
ヘッダータブの「Compositing」を選択すると、コンポジット編集画面に切り替わります。
まず、コンポジターのヘッダーにある「ノードを使用」にチェックを入れて有効にします。
コンポジターに「レンダーレイヤー」ノードと「コンポジット」ノードがつながった状態で表示されます。
すでにレンダリングを実行している場合、「レンダーレイヤー」ノードにレンダリング結果のサムネイルが表示されます。
レンダー画像を表示し、上部アイコンから「Viewer Node」選択することで、コンポジット結果が表示されます。
グレアノード
ハイライト部分に輝きやまぶしさを表現するグレア効果を加えます。