デザイン画の描き方
ジュエリーデザインは、デザイン画の描写が主になります。
デザイン画は、デザインの構想を形にしたり、ユーザーとジュエリーイメージを合わせたり、制作者へのデザインの指示など、非常に重要な役割を持ちます。
ジュエリーのデザイン画を描く方法はいろいろあります。
主な描き方は、
- 正投影図法
- アクソノメトリック図法
です。
正投影図法
正投影図法は、3次元の物体を2次元で表現する方法です。
ジュエリーのデザイン画は、見る角度によって
- 立体図 リングを立てた状態で斜め上から見た図
- 上面図 リングを上から見た図
- 正面図 リングを正面から見た図
- 側面図 リングを側面から見た図
があります。
立体図のことをレンダリングともいいます。
上面図や正面図、側面図は、原則として実物大で描きます。
立体図は、実物より多少大きく描く場合が多いです。
この図法は、ジュエリーの正確なプロポーションを見せ、寸法を示し、異なる部分を強調することができます。
厳密なルールに基づいていることから、世界中の人々が読むことができ、誤解を避けることができます。
メレダイヤモンドのように極めて小さい部分を描く時は、ファセットラインを省略します。
正確に描くと、線で埋まってしまうためです。
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リングの描き方
ジュエリーの中で人気の高いリングを描く時は、立体感を出すためにいくつかのポイントがあります。 ジュエリーのデザイン画は、見る角度によって 立体図 リングを立てた状態で斜め上から見た図 上 ...
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アクソノメトリック図法
アクソノメトリック図法は、ひとつの視線に対して、高さ・幅・奥行きといった異なる角度を取る3つの軸により、オブジェクトの全体像が示されます。
アクソノメトリック図法のひとつであるアイソメトリック図法(等角投影図法)は、ジュエリーデザインで頻繁に使用され、ゆがみをあまり出さずにジュエリーの全体像を示すことができます。
軸がどれも同じく120度の角度を形成しています。
宝石の描き方のポイント
ジュエリーのデザイン画は実寸で描きます。
小さなスペースにファセットラインをすべて書くと、逆に美しさが伝わりづらくなります。
宝石を美しく見せるために、ファセットラインを省略して描きます。
宝石の質感を出すために、シューディング(影つけ)を意識します。
透明な宝石は、コントラストを強めに出します。
宝石らしさを強調するために、反射光を入れます。
貴金属の描き方のポイント
ジュエリーに使われる貴金属は、主にプラチナ、ゴールド、シルバーになります。
肉厚
金属を描く時に大切なポイントは、金属の厚みの表現です。
金属の厚みを肉厚と言いますが、この肉厚を実寸に近く書き込むことでリアルな雰囲気を出します。
シューディング
また、金属は光を反射させる光沢面を持っています。
デザイン画では、光沢面の光った部分と影になる部分の強いコントラストで表現されます。
影をつけることをシューディングといいますが、このポイントさえ覚えれば光沢面の雰囲気を出すことができます。
テクスチャー
金属は光沢面以外に、くもらせたり、がさがさに荒らしたり、でこぼこにしたり、金属の表面を加工処理する場合があります。
この表面効果をテクスチャーといいます。
テクスチャーにより、ジュエリーの雰囲気を変えたり、質感を出すことができます。
オリジナルジュエリーを制作するときは、このテクスチャーは重要です。
テクスチャーは、薄めにシューディングした後に描き入れます。
影の強い部分は多めにテクスチャーを入れ、明るい部分は少なめに入れるほうがきれいに見えます。
着彩の方法
ジュエリーのデザイン画の着彩は、色鉛筆や水彩絵の具で行います。
色鉛筆は、簡単に手早く色を塗ることができるので、初心者に最適な方法です。
水彩絵の具は、色の調合や筆の使い方をマスターすると、発色が美しくきれいな着色をすることができます。
デザイン画を着彩することによって、金属の色と宝石の色とのコントラストが視覚的に把握することができ、より一層リアリティが増します。
色鉛筆での着彩
色鉛筆は、12~24色で固めを用意し、先端を尖らせて使用します。
水性の色鉛筆は、着彩した後に水を含ませた筆でぼかすと、水彩着彩と同じような効果を出すことができます。
着彩のポイントは、影の部分を中心に色をつけ、ハイライトの部分を塗り残すことです。
水彩絵の具での着彩
用意するものは、絵の具、筆、パレット、水入れなどです。
筆は、描くデザイン画によって、数本用意しましょう。
筆洗い用の水入れは、2つ以上用意して、白色用とそれ以外の色用に分けて使いましょう。
筆の絵の具や水加減を調整するために、ティッシュペーパーも用意しておくと便利です。
絵の具は、少量ずつパレットで調合します。
出来た色を試し描きをして、色の具合を確認します。
描き方のコツは、はじめは薄い色から塗ること。
絵の具の量も少なくして、下書きの鉛筆の線が見えるくらいに薄く着彩します。
そして、2度3度重ねて塗るほうが、美しい色に仕上がります。
筆につける水気は少なくしましょう。