リングのタイプ
リングは、大きく貴金属だけのメタルリングと宝石を用いた宝石リングに分かれます。
メタルリングは、ゴールドやシルバー、プラチナなどの貴金属だけで作ったリングです。
通常は、1種類の貴金属だけで作られるのですが、ゴールドとプラチナやゴールドとシルバーの両方を使ったリングもあります。
甲丸リング
甲丸リングは、余計なものを一切省いたシンプルなデザインです。
一般的なリングの他、マリッジリングとしても使われてきました。
平打リング
平打リングは、上から見るとボリューム感があり、表面積が大きくなります。
表面に掘り模様を施すデザインも多いです。
甲丸リングと同様にマリッジリングとしても使われています。
幅は、5~8mmのリングが一般的です。
月型甲丸リング
甲丸リングをドーム状にアレンジしたリングです。
トップの部分にボリュームがあるのが特徴です。
カットリング
甲丸、平打リングの表面を工作機械でカットして、さまざまな表情の模様をつけたリングです。
マリッジリングとしても使われています。
すり出しリング
幅広の甲丸リングや厚みのある平打リングの一部を削って様々な形にしたリングです。
立爪
立爪のリングは、通常のリングと違い、爪と腕だけからなりたちます。
立爪は、ダイヤモンド固有の美しさを最大限に生かすという観点から考えられたデザインです。
代表的なエンゲージリングである立爪は、ダイヤモンドの側面を見せるために石座はなく、6本の爪でダイヤモンドのガードル部分をしっかり咬むように留めてあります。
一文字
一文字リングとは、上から見ると同じ大きさのダイヤモンドが「一」のように横一直線に並んだリングです。
0.1ctから0.2ctくらいのダイヤモンドやルビー、エメラルドなどを何個か合わせて効果的に使う発想から生まれたリングです。
爪のひっかかりも少ないリングです。
ダイヤモンドなどの石は、5個か7個並びのものがあります。
原則、奇数個を並べます。
他にも、同じ大きさの石を2列に使った二文字。
中心のラインに比較的大きな石を使い、両サイドにメレダイヤを使う三文字のデザインもあります。
V字リング
上から見たときに、V字状に石が並んだリングをV字リングといいます。
ダイヤモンドのほか、ルビーやサファイアなどの色石を奇数個使うのが一般的です。
同じ大きさの石を使うこともありますが、シャープなV字を強調するために、中心から両端にいくに従って、少しづつ小さな石を使いこともあります。
カクテルリング
中心となる石がなく、何個かの石を使ったマルチストーンのリングです。
いろんなお酒を混ぜるカクテルという意味から名付けられました。
セットリング
2個のリングを組み合わせて1個のリングのように見えるものをセットリングといいます。
立爪にV字リングをセットしたものが代表的なタイプになります。
チャームリング
チャームリングは、もともとは魔除けやお守りのリングです。
リングにワンポイントの飾りを吊り下げ、その動きやモチーフの意味を楽しむジュエリーとして用いられています。
飾り物のワンポイントは、いろいろな種類があります。
動物や楽器、ハートやリボンなどあります。
リングの構造
日本のジュエリーの主役ともいえるリング。
リングの構造は
- 中石(センターストーン)
- 脇石
- 石座
- 爪(プロング)
- 腰
- 腕(アーム、シャンク)
- 肩
となっています。
上から、宝石である「中石」と「脇石」があります。
それぞれ石をのせる「石座」があり、石を留める「爪」があります。
石座の下に「腰」があり、補強と装飾を兼ねています。
腰のないデザインもあります。
腰は、細い板地金を巻いた唐草腰か細い丸線の線腰、窓状の腰もあります。
最近は、高さのあまりない腰やまったく腰部がないデザインもあります。
リングの輪の部分を「腕」といいます。
腕は、リングの土台となる重要な部分です。
指によく馴染み、全体のデザインにマッチした腕がよい腕となります。
そして、石座から腰、腕をつなぎ、補強と装飾をしている部分が「肩」になります。
肩は、飾り肩か腕と一体化した肩があります。
肩は大きすぎると、指にはめたときに邪魔になるので、大きすぎないように作ります。
石留めの種類
石留めをデザインする時は、宝石の種類、大きさ、重さ、ジュエリーの用途を考慮しないといけません。
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腕のタイプ
リングの外側
- 甲丸(リングの断面が半円形に近い形状)
- 平甲丸(リングの断面がやや半円形にふくらみのある形状)
- フラット(リングの断面が長方形に近い形状)
リングの外側
- comfort fit(内甲丸、指なじみ)
- フラット(リングの断面が長方形に近い形状)
リングサイズ
リングのサイズは、号数で表します。
通常は、10番~12番の人が多いため、量産品の場合は11号が一般的です。
腕を作るのに必要な地金の長さは、(内径寸法+腕の地金の厚み)×3.14になります。
たとえば、厚さ2ミリの地金でサイズが10番のリングを作るときは、(16+2)×3.14=56.52センチとなります。
指輪・リングの制作工程
リングの描き方
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